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清津川ダム建設の経緯
ダム建設中止時の考え方
ダム建設中止後の要望書
ダム建設中止後の補償法案
ご意見


清津川ダム対策協議会役員会総括

平成14年7月29日の国土交通省北陸整備局長による 清津川ダム中止の発表以降今日に至るまでの清津川ダム対策協議会役員会として 一連の事態に付きここに総括致します。

混乱の原因と結果
今日地域混乱の出発点は、区長会による新組織の立ち上げに端を発したのが、原点である事に異論は無いと考えておりますが、その発端の一因には中止発表後、あまりの事に気が動転してしまい 清津川ダム対策協議会(以下「ダム対」と言う)としての、対応の遅さに問題があったと言うのも事実です。 多くの時間経過の中で、種々検討作業を行っていたにも拘わらず、その理由など実質的な内容や行動を、表立って会員に伝える方策に不十分な点が、あったことは素直に認めざるを得ません。 新組織立ち上げに向かって動き出した、一連の行動に対し手続きや規約上の制約があったとは言え、公正且つ民主的な運営を重視する余り、ダム対としての迅速な対応に欠ける結果を招いたことは、反省すべき点と重く受け止めて居ります。 我々は、ここ数年のワークショップ等における議論の中で、この地域に於いて最も欠けている民主的な議論の場を、提供することを主眼に中止後の地域づくりを進めて行きたいと考え、公正で公平な運営をして行く上では、ルールに基づき行動して行く事が、最も重要であるとの観点から行動して来ましたが、法律を犯してまでも自らの目的達成の為には、どんな手段も辞さないと言った一部の人々の強固な意志には到底なす術もなく、敢えてその勢力に対峙するには法的な手段も辞さない、と言った我々にも強い決意が必要でしたが、問題の本質を曖昧にしたまま事の、是非すらも明確にしてこなかった事が、今日の結果を招いた最大の要因ではないかと考えております。そしてこの間、ダム対委員会では数10回にもわたる議論を、尽くして来ながらもこれらの問題を会員に充分に伝える事が、出来ないまま会員と委員との間で意識や認識のズレが、次第に拡大しダム中止後の対応について、共通認識を共有出来なかった結果が、今日の状況を招いたのではないかとの結論に至りました。

 以上のような要因から最終的に招いた結果として、地域内でお互いの考えの探り合いや、否定と対立であり、一昨年以来地域内に分裂をもたらしました。 また、長期間にわたって蓄積された住民の精神的、肉体的な苦痛だけが残されました。
 行政は、公共事業の中止による補償が法律に無いとの事から、三十数年に渡った「絶対に造る」と言う言動が、経済や社会情勢・世論などの変化により中止を決めたにもかかわらず、40年近くも地域住民を悩ませ続け、翻弄してきた責任をいとも簡単にすり替え、実際には自らの明確な責任を何ら取ろうとしない態度は、今後あらゆる公共事業の実現に当たっての、大きな障害となると確信します。

ダム中止後の課題と問題点
ダム中止が決まった後、地元自治体は事業中止の見返りと受け取られかねないような「地域振興事業」を国に求め様としている現在、これでは形を変えた公共工事の継続と批判されても仕方がないし、全てが本当に必要な物かどうか更に、精査すべき重要課題として残されています。

清津川ダム対策協議会の基本姿勢
1.ダム問題に関する補償
 ○精神的補償、損失補償と補填(国による早急な実態聴き取り調査)

※補足説明
町長は、ダム中止発表後直ちに国に対し(北陸整備局)、補償は求めないとの申し入れを行ったが、過去ただの一度も地元自治体最高責任者としての、指導力やリーダーシップを何ら発揮することなく、地元行政としてハッキリとしたスタンスを、示すようにとの再三の申し入れを、地元住民の意志を最大限尊重する為、自らはその態度をハッキリさせないのが、自分のスタンスであると言い続けていた張本人が、いとも簡単にまして地元に、何の説明も協議もせず了解もないままに、地元自治体責任者として一方的に発表してしまったことは、我々に対する背信行為であると共に、自らが言い続けていたことと矛盾し、合理的整合性に欠けていると言わざるを、得ずこの点について町長自らの説明責任を、免れることは出来ないと考えます。
町長が補償を求めない根拠として、要求根拠法令が現時点では無いことを、最大の拠り所としていますが、国と町とで行われた行政需用費、2億6千万余りの支払を受けている点は、公共補償基準第18条に基づき2000年8月24日付け、建設省建設経済局調整課長通達によって支払われたものですが、行政間ではそうした補償は、きちんと行われているのに、同じダム問題で苦労しあらゆる負担を強いられてきた、住民には何ら補償もないと言うのは、公平性に欠け国民不在と言わざるを得ません。行政は給料をもらい仕事として、専門に行ってきた訳ですが、我々は日々生活の中、貴重な時間を費やし多くの犠牲を伴いながら、誠実に対応してきたことは一体何だったのでしょうか。本来地元行政責任者である町長は、こうした法律の不備が分かっている以上、根拠がないとその責任を放棄するのではなく、その根拠を見出すべく行動するのが、本当の有るべき姿ではないでしょうか。 前例がないと言うのではなく、前例は作り出さなくては前例とはなり得ません。 ダム問題は、その発生原因を作り出した起業者である国の、行政責任を明確にし二度と我々のような犠牲者を、生み出さないようにしなくてはなりません。
我々は、上記の観点に立ちダム問題に関し、何らかの補償基準と成るべく法律の立法化に向け、不幸にしてダム問題犠牲者となっことを、悲観するだけに終わらせない為にも行動を、続けて行くことがこの問題に、関わった当事者としての社会的責任だと考えています。

2.社会資本整備
 ○ダムが有っても無くてもいずれ行われる物である(着工についての時間的な遅い早いはあり得る)

3.地域振興
大きく分けて上記3点を明確に区分し、国、県、町がやるべき事、出来る事の明確な区分けが必要です。何を作れとか、何かをやれとかではなく我々が、今後この地域で30年、50年と生活して行く上での理念や目的をまとめ、行政に相対して行くのが基本姿勢であり、どう将来を生きるかと言う哲学を、示した要望書を提出しています。 その理由付けを含めて地域づくりを、考えて行くことが我々の使命ではないでしか。

地域づくりの課題
 ※住民参加型の地域づくり(地区計画)
ドイツの地区詳細計画(Bプラン、具体的な地区の開発や再整備についての細かい計画)を手本にした、地区レベルのきめ細かな都市計画制度を取り入れる。一般の人も公的機関もBプランに従わない開発は認められない。

※地域づくりの構造を社会的良識から考える場合の必要な視点
 1.投入割合の妥当性
 2.事業の必要性
 3.雇用創出効果

上記2、3などを主体に、双方からソフトな地域振興策を提案して行き、将来に夢を持てるプラン、若い人たちが主体的にやり甲斐と生き甲斐を、感じることが出来る地域づくり、地域環境の管理や保全を行うマネージャーの必要性が、これからの農業・林業等、地方活性化、雇用の創出の大きな要因となります。森林、清流など中山間部の環境保全対策と合わせ、地域の所得を保障する仕組みとして考える価値は充分にあると確信します。

地域振興作成に参加を考える(意見を反映させる方法)
 ○PI(パブリック・インボルブメント)
現在東京外郭環状道路が、この手法を取り入れ協議が続いているなど、国土交通省は‘01年11月、各地方整備局に構想段階の主な自動車専用道路に、PIの手続きを取り入れる様に通達している。 欧米先進国では、一般的な手法になっている。

計画進行プロセスの重要点<

  1. 自らに不利なデーターも含め、情報公開に徹する住民の疑問に、行政側が答えるなど双方向の対話を追求し、行政と住民がどう討論を進めるべきか、行政の説明責任、情報の公開と共有が必要不可欠。
  2. 地元の合意形成を、疎かにすると事業が進められず、結果コストもかさむ住民がどう意志決定に参加するかが鍵。
  3. 公聴会を開催し発言、質問の場を設ける、一般住民が共通の情報を得る為の時間や機会は不可欠。
  4. 実際どんな形で住民が参加するか、形ばかりでお茶を濁したのでは返って公共事業に対する不信感を募らせる。
新しい地域づくりにおいては情報公開と対話が鍵であり、合意形成の重要性は今まで以上に最優先で考えなくてはならない。

海外での事例
 フランス:事業の各段階別に住民が参加する委員会が作られ完成後も追跡調査を行う。
 英  国:インスペクター(審査官)が公聴会を主催し民意を聞く。
 アメリカ:P.I(パブリック・インボルブメント)住民の意見を、反映させた計画造りの制度を利用、
 ダイレクトメールや住民が集まる場所に、出かけての説明など計画の早い段階からの、
 情報公
開と繰り返して行う双方向のコミュニケーション。

日本の場合、公共事業はその情報を国民が共有しているとは、とても言い難い状況で 本当に必要な社会資本を、住民が取捨選択出来るような開かれた制度を創るべき時です。

今後の行動方針
地域が長期的に活力を持ち続けるために、何が必要なのか根本から考えること、巨費と期間をかける公共下水道や、トンネル・国道と言った社会資本は、利権派と言われる人たちの言を借りれば「公共事業を削減すると雇用が減り、結果地域経済がしぼみひいては、町そのものが無くなる」と言うような考え方では本当のニーズを聞かないで、ただ国にお願いして事業を取ってくるそれが政治だと考えているその姿勢こそが問題です。 土地や自然空間のあり方や利用方法を、当事者である住民が自分たちの、責任で決める自主自立の精神、地域を活性化するのに必要なのは、こうした前向きな住民パワーではないでしょうか。公共事業に頼らずに地域の将来像を描いてゆく、今最も必要なのは苦しくともそういう努力をし続ける事です。住民が家庭に閉じこもり、お互いに孤立しているのでもなければ、親分子分の関係で結びついているのでもなく、お互いに対等な立場で地域の問題に、関心を持ち自発的に活動し協力し合う伝統を、築いて行くことが「精神的能力においては、第二級の人物が支配的地位を占め、凡庸なことを重々しくしゃべっている。」と言う言葉にあるように、一握りの人間の思惑に左右されないことが、今後行政が高いパホーマンスを発揮していく上で、不可欠であると同時に新たな地域造りのなかでの、プレゼンスを確かなものとする事が出来ます。
本来「社会資本」とは道路や下水道などのインフラではなく、歴史的に築かれ蓄積された人的ネットワークの事だと思います。今後国、県、町がどのような行政を行うかは、そこに住む住民次第であると言えるでしょう。今まさに我々の見識と良識、本当の意味での民意が試されているのではないでしょうか。
大切なのは人の考える事や思いには、多くの異なった意見があって当然であり「違い」は「間違い」ではないと言う認識を、それぞれが持ちその根拠はどこにあるか、じっくりと考えて説得力を持って述べること。そして他者の考えもきちんと聞くことですが、現実には難しいのも確かです。それでもそう言った考察を、繰り返す経験と努力を積み重ねることは、今この地域に最も欠けている点を補うに値します。

他者との考えの違いを、深く客観的に考察することが、何より相互の多角的な理解に繋がり、これがひいては、地域の再生と経済活性化への近道と信じています。 「愚かさは、悪よりもはるかに危険な善の敵である」と言われることのない様に、これまでもそしてこれからも流す汗の一滴、時には流すであろう涙の一滴は、決して無駄には出来ないとの思いも新たに、民主的に自由な議論の出来る唯一の場を、失わない為に最大限の努力を、続ける決意です。

平成16年4月16日 清津川ダム対策協議会役員会

<補足説明>
役員会総括公共事業への参加(PI)を考える
  道路などの公共事業で住民の意見をどう反映させるべきか
 ※欧米で一般的に行われている公共事業への住民参加の手法

「パブリック・インボルブメント(PI)」について。
 ○公共事業の構想の段階から地域住民など幅広い利害関係者から意見を聞いて事業計画に生かしていく手法。
  米仏など欧米では法律などで住民参加の手続きが明確に定められているが
  日本では構想段階から住民の声を反映する方法は制度化されていない。

  国土交通省は平成13年11月、各地方整備局に構想段階の主な自動車専用道路に
  IPの手続きを取り込むように通達。
  平成14年8月に「市民参画型道路計画プロセスのガイドライン」を策定した。
  現在東京外郭環状道路がこの手法を取り入れ協議が続いている。

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